古事記(現代版)

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【ジブリに学ぶ生き方】生きろ、そなたは美しい【サラリーマンのもののけ姫考察】

どもこんばんは、ぼくです。

【君たちはどう生きるか】が大ヒットでジブリジブリなここ最近、今日は金ローでもののけ姫放送です。ジブリは老若男女すべての人に学びを与えてくれます。

生き方だったり世相だったり…ま、全体的に女性が強い世界観ですよね。宮崎駿さんがタイムマシーンに乗って未来を見てきたのかなというくらいに女性が強い(笑)

 

胆の据わり方が半端無い ~カヤ~

 

【生きろ】のキャッチフレーズに違わず冒頭から生と死の綱渡り。【生】はアシタカやカヤ、対する【死】はタタリ神。

 

※普通の死生観についての考察はこちら

 

『こんなヤベー化け物相手に刀??鉈??抜いてどどどどーすんだよ!?』とのっけから心臓バクバク。

でもこの時のカヤは一寸ほどの気後れも無いんですね。ともすれば叩っ切ってやろうという腹を決めた表情なんです。

 

【ジブリに学ぶ生き方】生きろ、そなたは美しい【もののけ姫考察】

【もののけ姫】より

 

吹けば飛ぶような中小企業勤務サラリーマンのぼく、いつもヘコヘコしてるけど人生にはやらなきゃいけないって時があるんだろうなと。到底勝てないような相手でもやらなきゃなんない時が。

そう思いながら観ると会社なんていくら下手打っても死にゃしないんですから当たって砕けろと、お腹の奥がぎゅっと引き締まる印象的なシーンです。

 

このシーンのスリリングな感じを演出するBGMがまた秀逸。音楽を聴くだけでシーンが脳内再生されておしっこちびりそうになります。やっぱ天才集めて作った作品は細部まで凝ってるなあと何十回観ても思いますね。

 

 

作中No.1 だめんず ~牛飼いの甲六~

 

山犬の襲撃によって谷に落ちた牛飼い達がアシタカに助けられてコダマが森を抜けタタラ場に戻るシーンですね、多くの牛飼い達が谷に落ちましたが助かったのは甲六を含め二人だけです。

 

コダマにビビり倒しシシ神にビビり倒し泣き言ばっかり言ってる甲六ですがタタラ場が見えると急に元気になります(笑)

 

しかし妻であるトキにボロクソ言われてションボリする甲六、まわりは大爆笑(笑)

 

もののけ姫より

 

【死】と【生】を目まぐるしく行き来する甲六の置かれた状況、人々の喜怒哀楽すべてがぎゅっと濃縮されたワンシーンです。何気にもののけ姫の隠れ名シーンでもあります。

 

口は悪いが甲六の生還を喜ぶトキと半ベソの甲六。お調子者で頼りなくて情けない男でもしっかり者の奥さんができるという希望のシーンでもあります。

現代風に言うと【だめんず】ってやつですね、くらたま先生によると男はだめんずのほうが母性本能を掻き立てられるみたいです。

 

だめんず・うぉ〜か〜 - Wikipedia

 

完璧な人より欠点があるほうが人間味があっていい。しかしぼくもだめんずなのですが奥さんがもっとだめという目も当てられない状況でツライです。だが【生きろ】

 

愚直な中間管理職 ~ゴンザ~

 

サンによるタタラ場襲撃時に見せ場がくるのがゴンザ、エボシの右腕ですね。身体も態度も大きいんですがどこか憎めないです。

自慢の大太刀を手にアシタカと対峙するも太刀がフニャチンになってしまいました(笑)

おそらくこの時点で到底敵わないということは悟っているはずですが、怯むことなく『俺の石火矢をもってこい!!』とまくし立てます。

 

もののけ姫より

 

相当な強面ですが猪との決戦前にはタタラ場の女衆にもいじられるというどこかコミカルな一面も持ち合わせており、エボシとタタラ場を守るべくサンやアシタカの前に立ちはだかる姿はまさに職務に忠実な昭和のサラリーマンです。ぼくもこうありた…くはないですが。

 

ちなみにこのシーンはアシタカに恩義を感じた門番や牛飼いの長がアシタカ寄りの言動を見せます、この場で言うのは勇気ある行動だと思いますね。

彼らの勇気は後にも物語を大きく動かすことになります。

 

鎮西の乙事主 ~滅びの美学~

 

山を取り戻すべく近代兵器である石火矢に正面から向かっていく猪のボス。罠と分かっていても猪のプライドにかけて正面突破を敢行するわけで。作中のメッセージ的に言うならば【死】のほうを選択したわけですね。

 

もののけ姫より

 

これもまた1つの生き方(逝き方??)でしょう、最近のタイムリーな時事問題に当てはめるなら不正を拒否してクビになったビッグモーターの社員さんに通ずるものがあります。

運命を共にする部下たちにも恵まれたわけで、これはこれで悔いが残らないんじゃないでしょうか。ビッグモーターはクビになった社員さんたちが結果的に勝ち組になりそうな雰囲気ですが。

 

チーム牛飼い ~作中の良心担当~

 

タタラ場を訪れた得体の知れぬアシタカに感謝、歓迎しサンによるタタラ場襲撃時には自ら置かれた立場を超えてアシタカ寄りの行動に出るんですね。

 

砂金を見て追い剥ぎをしようとした村の男たちやエボシたち主力の留守を狙ってタタラ場に攻めこんできたアサノ公方などが人間の汚い部分を描写しているとすれば、タタラ場の住民たちは人間の綺麗な部分を描写しているわけです。

 

アシタカがエボシにタタラ場が侍に攻められていることを知らせに行ったときに彼らのハイライトシーンがあります。

 

もののけ姫より

 

猪の下敷きになった山犬を助けようとするアシタカ、それを見た牛飼いたちはアシタカを妨害する唐傘連をやっつけて山犬を助けるために力を貸すんですね。

 

山犬が自由になったら自分たちは噛み殺されるかもしれないと分かっているのに、です。これはもののけ姫の隠れ名シーンです。

 

ジブリ作品にはいろいろなメッセージがいたるところに散りばめられていますが名も無きモブキャラたちの行動や言動にもしっかりとメッセージが込められています。

 

何度観てもためになるもののけ姫

 

ぼくが思うにジブリ作品の中でも断トツに直接的な【死】の描写があるのがもののけ姫です。それだけに対極にある【生】の描写も際立つわけで。

そしてそれは肉体的な死生観だけではなくて精神的な生き死ににも通ずるわけで。

 

そういう意味ではぼくのこどもたちはまだ5才と3才なのでちょっと早いのかなと思い、まだ視聴させていません。もう少し大きくなったら見せてあげようかなと思いますね。

作品を見た年齢ごとに感じ取るものが変わってくるんじゃないかなと思います。

 

ちなみにぼく(42)の眼から見たMVPは…

 

もののけ姫より

 

やっぱり甲六(笑)

 

一番の魅せ場であるこのシーン、隠し持っていたアシタカの弓矢を届けるシーンです。主人公の武器を渡すという映画でもよく見るシチュエーションですね。

ついにキングオブ脇役の甲六が輝くときがき…

 

トキなんで鞍と蓑も持ってこなかったのさ!! この役立たず!!

 

だって…(´・ω・`)

 

でも40年以上情けない男やってるぼくからすると作品中でNo.1の好きなキャラなんですよね。洋画観ててもそうなんですけどなんだかんだでこういうお調子者の三枚目は最後まで生き残るんです。

 

宮崎駿監督も【生きろ】と仰っているので結局は【生きてこそ】なんですよね。

今出来ない事だって生きてりゃそのうちどうにか出来るようになるかもしれないわけだし生きてる限りは再スタートだって何度でも切れる。

 

そういう意味では、歳を重ねるのに合わせて定期的に観たい作品です、作品は変わらない(当たり前)んですが観る側の受け取り方は年齢や環境に合わせて絶えず変化し続けているので。まぁジブリ作品ってほとんどがそうなんですけどね。